ふじようちえん

2012.11月5日 園長だより

2012年11月05日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

 朝夕ひときわ冷え込むようになりました。先日は、木枯らし1号のニュースも耳にし、そろそろ冬が近づいてきた感じです。園庭のケヤキも赤茶色になってきました。
 皆様、お元気で過ごされていますか?寒くなってくると、風邪も流行り始めます。幼稚園でも、ご家庭でも、うがい、手洗いをしっかりするようにして行きましょう。

 この秋、子どもたちは、運動会でそれぞれの達成感や満足感を味わい、さつまいも掘りで土に触れ、おいも会で味覚の秋を実感しながら過ごしてきました。特にさつまいも掘りの翌日、『天ぷらで食べた!!』『スィートポテト!!』『大学イモ!!』…たくさんの子どもたちの報告に、楽しいご家庭の様子が想像でき嬉しくなりました。これから、さつまいもを蒸かしてスライスして屋根の上で干してつくる乾燥イモ、脱穀精米や園外保育で行く昭和記念公園での紅葉狩り等々で、更に秋を感じてみたいと思います。  季節を感じ、行動で実感し、理解に結び、さらなる発見へとつなげたい…そんな秋をおくりたいと考えています。

≪柿の話≫
 先日、スマイルファームで採れた柿をみんなで切り分けて食べてみました。『柿っておいしいね!!』『甘いんだね!!』と話している声を聞き、『柿、初めて食べた人?』と聞いてみると、『ハァーイ』の元気な声と共に14人(クラスの約半分近く)のお友だちが手を挙げました。
 私にとって柿と言えば、サルカニ合戦に出てくる柿の話や子どもたちがいたずら半分によその家の垣根越しに実っている柿を取って家の人に叱られるとか、柿が熟して地面に落ちている光景とか、特に干し柿がつるしてある風景が思い出されます。でも、この風景はすでに昔話の挿絵か、絵本に登場するぐらいのものになってしまっているようです。今、柿と言えば、スーパーで売っているもの、結構いいお値段の立派な柿…という印象だけのようですね。ここまで柿と子どもたちが遠い存在になっているとは思っていませんでした。そんな時代だからこそ、伝え感じてほしい日本の文化があります。
 私の心の中に、どこかで見た懐かしい風景として…晩秋、葉を落とし、たくさんの実を枝に付け、ぽつんと一本立っている柿の木…その横には井戸がある…という昔の日本の風景があります。シンプルだけど何故か豊かさを感じた風景、そんな風景を子どもたちにも伝えたいと思います。そして、大人になった時、思い出の風景として心の豊かさにつながれば…と思っています。
 実は、一年前、幼稚園の井戸の横に柿の木を植えたのですが、今年の春の爆弾低気圧による強風で折れてしまいました。時期をみて、また植えてみます。でも、『桃栗3年、柿8年…』という辛抱すれば成功することを言っている言葉もあるように、どうやら今在園しているお友だちには柿が実る姿は間に合いませんが、スマイルファームの柿でご勘弁下さいね。ちなみに、相撲界では、『桃栗3年、柿8年…』には続きがあり、『桃栗3年、柿8年、それでもだめなら13年』と言い、どんな人でも一つのことを13年続ければ何とかなる…ということらしいのです。偶然の一致でしょうか?幼稚園は3年間だし、例えば英語のグレープシードは幼稚園2年間と小学校6年間、足して8年間だし、プレ・幼・小・中・全部足せば13年間になります。何か法則とかあるのでしょうか?
 柿でこんな展開に…ただの柿好きですかね。あっ!! あと、柿の種も好きです。

≪地域にとけあう保育≫
 今年の運動会、多くの皆様のご参加を頂き、本当にありがとうございました。特に、卒園生による用具、ライン、ゴール順位等々の様々なお手伝いは、手際良く、きびきびした動きは見ていて気持ちの良いものがありました。卒園生の皆さんのご協力あればこそ、無事に終了でき、いい運動会が更に深まりました。ありがとうございました。卒園生たちは、自分たちの幼児期を思い出したり、園児たちと触れ合い、仲良くなったりして、園児たちにとっても、とてもよい場、よい時間となったようです。
 先日、大山小学校のお友だちが、『地域を知る』という授業の中で、約10人程来てくれました。小学生がそれぞれに考えてきた授業をするのです。ゲーム一つにしても、一つ一つ最初からルールを教えます。話を聞かない子、聞いてもまだ理解が今一つ…いろんな子どもたちの前で授業をリードして行くのです。みんな一所懸命に先生役をしていました。いい経験になったかなぁ?と思っていたら、後日、その小学生のお母さんから、小学生の声として『先生って、大変だねぇ~』『教えるのって、難しい!!』『でも、またやりたい!!』と言っていましたと伺い、とても嬉しく思いました。大山小学校さんの校長先生はじめご担当の先生方、大変かと思いますが、今後ともよろしくお願いします。
 また、先日は立川病院の小児科病棟の廊下壁面に展示すると言うことで、大きな絵のご依頼を受け、長時間保育10月のプロジェクトで取り組みました。お友だちみんなで力を合わせ『うちゅう』『木』『干支』の3種類の大きな絵をつくりました。ようちえんブログでもご案内したと思いますが、とても素晴らしいので、展示が終わり2月の劇発表会にはどこかに貼り、改めて皆様にご覧頂こうと思います。
 地域社会の中で、子どもや幼児はどうしても社会的弱者としてくくられるのですが、その子どもたちが、地域の中、職場、事業所等々に、訪問や作品展示等々いろいろな形で入らせてもらうと、それがまた子どもたちを育てることにつながります。子どもたちも地域を感じ、楽しみながらいろいろ吸収していきます。そして、それは学校や幼稚園だけでは伝えきれない大切な育ちの場面となるものと確信します。
 幼稚園で例えれば“地域にとけあう保育”とでも言いましょうか、今後の幼稚園活動での大事な要素だと思います。

 もうすぐ、落ち葉が増え、朝、子どもたちの落ち葉を掃いて集めるお仕事が始まります。ほうきを使い、落ち葉を集め袋に入れます。みんな、自らすすんで落ち葉掃きをしたがります。本当に楽しそうな顔でお仕事をしています。まさしく、子どもの育ちがここにあります。子どもたちが育つ時間、逃すのはもったいないです。これから寒いけど、朝、遅れないで登園して下さいね。

園長だより vol.115 (2012.11.5)