平成30年度1学期終業式 園長だより vol . 195 (2018.7.19)
2018年07月19日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
ご近所の植木畑に、さるすべりの木があります。サルも滑り落ちそうなツルツルした木肌…と言う語源らしいです。その木に今、たわわに実ったぶどうの房のような花が、濃いピンク色、白色…で咲き始めました。さるすべりの花は、初夏から秋口にかけて長期間咲きます。意外ですが、暑さの中で咲き続ける花が少ない中、その華やかさで私たちを楽しませてくれます。ちなみに、私が子どもの頃、さるすべりの木に登った記憶がありますが、ツルツルして上りにくく、とても苦戦した記憶があります。
皆様、いかがお過ごしですか?
人間の体温を越える、うだるような暑さが連日のように続いています。クーラー、風鈴、扇風機、アイスにジュースにかき氷・・・私の好きな涼しさです。そして、時々私は、涼を求めて、近くのショッピングモールに行ったり、冷たいお茶やジュース等々を買っては、熱中症対策を大義名分に飲んでいます。確かに、水分を摂る機会と量が相当増えましたが、その分、汗が出て、着替えが追いつかない今日この頃です。まだまだ、これからが夏本番です。どうぞ、お体ご自愛下さいませ。
本日、終業式を行い、入園、進級してからみんながそれぞれに育った一学期も無事に終了することが出来ました。これも一重に、ご父母・ご家族様のご理解、ご協力のお陰と心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
夏休みを前に、修了式では、『早寝、早起き、ごあいさつ、そして、お手伝い』をお家で毎日忘れずにしましょうとお話ししました。夏休みは、とかく生活のリズムが乱れがちです。よく言いますが、人生は能力よりも性格、その性格を創るのが幼少期の習慣『習慣こそ、第二の性格』と言われます。それにはまず、生活のリズムづくりが基本だと思っています。ご家庭でもお子さまに、園長先生のお話しは・・・と言ってください。子どもが育つ夏休み、どうぞよろしくお願い致します。
≪カブトムシ、クワガタで育つ≫
夏休みになり、園長席の前に、カブトムシやクワガタが増えて来ました。子どもたちは、昆虫のケースをのぞき込んでは、『あっ、このカブトムシ、大きいね』とか、『このクワガタ、強そうだな~』なんて言いながら、目をキラキラさせています。
概ねの子どもたちは男の子、女の子を問わず、このカブトムシ、クワガタ等々の昆虫が好きなようです。どうして好きなのかな?と考えてみると・・・カブトムシやクワガタはその姿に、カッコよさを感じ、角の立派さが戦いでの強さにつながり、より、大きなもの、強いものへのあこがれへとなっているのではないか?と想像しています。私も、カブトムシやクワガタを朝早く起きて、採りに行っていました。大きなものを捕まえた時やのこぎりクワガタを見つけた時のうれしさは、今でも覚えています。また、昆虫も、子どもたちも、甘いものが好きと言う共通項があるとか?進化的に子どもの方が昆虫に近いから・・・なんて俗説もあるようです。
例えば、カブトムシの目を近くで見てみると、意外にもかわいい?!目をしていたり、クワガタの目はかなり離れていたりということに気づきます。私は『理解は驚きに始まる』と言って、自ら気付くこと、驚くことが理解につながると言っています。いずれにしても、虫をよく見てみる、そして、細かいところまで観察してみると、多くの発見があるものと思います。夏休み、カブトムシ、クワガタだけでなく、昆虫をよく見ることから育つ科学の目をどうぞ育てて頂ければと思っています。
以前にもお伝えしましたが、最近のカブトムシは木には行かないようです。幼稚園周辺でのカブトムシの取り方は、ご家族で食べたスイカやメロンの皮を、風が止まるところ、風溜まりとでも言いますか、塀に囲まれた所やベランダの隅等々に放置し、腐りかけのにおいを発生させます。すると深夜、朝方にカブトムシが飛んで来て、それを食べているところをゲットという感じです。出来れば、朝早く5時ぐらいがいいようです。お試しください、自然と“早起き子ども”になって行くようです。
≪サッカーと教育≫
最近、感動したことと言えば、サッカーワールドカップです。フランスの優勝、2位クロアチア、3位に日本が惜しくも敗れたベルギーと言う結果に終わりました。勝負に、タラレバはないですが、もしベルギー戦に勝利していたら・・・なんて考えてしまうのは私だけでしょうかね?私は、サッカーのことはよくわからない素人ですが、各試合で見せたあの相手チームを翻弄させる日本チームのボール回しと言いますか、パスワークに素晴らしいものを感じました。ベルギー戦の後半2-0になった時に代表される、これは勝てる、シュートまで行けるという実感が多々あり、TVの前で声をあげて応援しました。日本の連携プレーの素晴らしさ、世界も感じましたよね。
実は、このパス回し、連係プレーの上手さこそ、日本人らしいなと思いました。さらにそれは、日本の学校教育から生まれたものではないか?と想像しました。つまり、職場や学校等々、高度に管理され均一化した社会の中で、より質の高さを追い求めて行こうとするのが、現在の日本社会の特徴です。上手なパス回しの中に日本社会のエキスを感じたのです。また、逆に考えると、パスワークは上手いけど、それを上回るピン(個人)での強さを持った人が生まれにくい、育ちにくいのが、今の日本社会、教育現場なのかなぁ~と思わざるを得ませんでした。
日本社会の特徴はさておき、物事は、短所を治すより、長所を伸ばすことが大事です。4年後の大会では、日本のサッカーが持っている長所を伸ばすだけ伸ばし、驚異的なボール回しで世界を驚かし、一つでも上の段階で活躍してくれることを望みます。
各国のサッカースタイルを見ながら、世界で通用する日本人とは・・・を考えさせられた私のワールドカップでした。サムライジャパン今後が楽しみです!
≪口ぐせは、聞いている≫
全日空・ANAには、口ぐせがあるそうです。それは、『あれっ、大丈夫?』と言って、様々なことをみんなで確認する文化だそうです。パイロットの友人に以前伺ったところ、飛行機が飛び立つまで(それ以後もそうですが)、細部のチェックが幾重にもあり、安全運航を第一にされているとのことでした。人命第一、当然ですね。そして、ご家庭に置き替えると、親にもそれぞれに口ぐせがあるように、その口ぐせを子どもは聞いて育って行き、そのご家庭の空気や文化を作ります。良い口ぐせは良い行動に、悪い口ぐせは良くない行動に繋がるものです。『大変だ、難しい、ダメだ、無理・・・』子どもの前ではマイナス言葉は発しない方がいいと思います。口ぐせが、思考のくせ、心のクセになって行くからです。明るい言葉で子どもは育つ!ですね。
楽しい思い出、子どもたちが様々な体験で育つ、夏休みを! また、9月始業式で!