ふじようちえん

2012.4月27日 園長だより

2012年04月27日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

 芽吹いた新緑が、朝日を浴びて輝き、爽やかで気持ちがいい季節になりました。
青空に大きな鯉のぼりが泳いでいます。幼児期の原体験として、子どもたちに圧倒的に大きなものを見せたいと思い、高く、大きな、大きな鯉のぼりを上げています。
でも、そんな思いも、スカイツリーの登場で変わり?! 鯉のぼりの立場も大変です。
 皆様、いかがお過ごしですか? いよいよ、連休が始まりました。楽しい思い出をいっぱいつくって下さいね。

 新年度になり、約一カ月が経ち、ご家族様それぞれの生活時間にも、だいぶ慣れてきたことと思います。先日まで、正門付近でお母さんと離れるのがさびしくて、泣いていたお友だちも、今では、送って来てもらったお母さんの方を振り返りもせず、みんなの待つお部屋に一直線に走って行ってしまいます。親とすると、少しさびしいけれど、うれしく、ホッとしていると言う感じでしょうか?
 このように、幼稚園で何か好きな遊び、好きなもの、安心できるお友だちや先生が居ることが分かり始めると、幼稚園がより楽しいものとなります。そして、この楽しさこそが、親から、物理的にも精神的にも離れられるようになる力になって行くのです。幼稚園児ならではの“親からの自立の芽は、こんな感じで芽吹いています。

 先日は、地域訪問、父母会そして引き渡し訓練と、お父様、お母様、ご家族様にご協力頂きまして、ありがとうございました。大変有意義な時間となりました。
 各先生がお子様の過ごしている地域を訪問させて頂くことは、もし万が一の防災の点からも大事ですし、お子様との会話の中に共通の話題ができ、より仲良くできていくものと思います。また、父母会は、親同士が一同に会してお互いを知ることで、お友だちも出来たりと、親の幼稚園生活の始まりとなりました。さらに、引き渡し訓練では、災害時対応をしっかりと実践確認させて頂きました。大災害時の想定でしたので、皆様、普段は車で来るところを徒歩や自転車でお越し頂きました。園までの道順や道路の状況、意外にある段差や交差点での危険度…等々、歩いてみて初めて感じることも多かったのではないでしょうか?あってはならないことですが、関東、東京でも大地震の予測がされている昨今、この訓練結果は、サバイバルカード(大災害時の幼稚園の対応カード)で、さらに現実的な対応が取れますように重ねてお願いします。

≪読んで育つ≫
 3月27日の産経新聞【きのう・きょう】の欄に、在園児のお母様の記事が掲載されました。素晴らしい内容に感動、そして、幼稚園の保育が子どもに伝わっていることに心からうれしく思いました。ご本人、ご了解のもとご紹介させて頂きます。
 「本との出会い」
 我が家の息子たちは本が好きだ。8歳の長男は夏休みに60冊、秋の読書週間には70冊ほど読んだ。次男も兄に影響を受けたのか、幼稚園の年少の頃より、自ら声に出して本を読むようになった。そんな本好きの兄弟も、最初から本に夢中だったわけではない。長男が2歳の頃、絵本を読んであげようとしても、次々とページをめくってしまい、落ち着きがなく、話を聞くどころではなかった。それが、幼稚園に入園して一変。帰り支度をする先生が絵本の読み聞かせをしてくれるそうで、息子はそれを楽しみにするようになった。やがて、わが家でも絵本の読み聞かせが始まった。
 小学校の図書館は整備が行き届き、温かい雰囲気で利用しやすい、と評判が良いそうだ。「本を読んでいると、扉を次々開けていくみたいでワクワクするんだよ」と息子は言う。心豊かな子に育ってほしいと願う。  立川市 土屋智子 37 主婦

 確かに、『帰り支度終わったら、絵本を読もうね』と言うと、みんな動きが素早くなって支度が早いです。やっぱり、みんなTVでもなく、パソコンでもなく、人間の話す言葉にワクワクしたいんですよね。人から人に伝わるものは、単に言葉だけではなく、先生の表情や動作、そしてその場の雰囲気…等々を含めた空気そのものだと思います。上記文章の例のように、子どもの育ちに大きく貢献する幼児期の読書を今後とも大切にして行こうと考えました。そういえば、友人の言葉に、『人生は、旅と出会いと読書で決まる』と話していたことを思い出しました。読書…大人にも大切です。

≪長時間保育と野菜と育ち≫
 一般的な認識として、長時間保育(預かり保育)は、保育時間終了後、ご用事か、お仕事でお子様の面倒を見られない状況にある方々への対応とされています。当然、当園でも、この方々をしっかりサポートしています。が、私はそれだけではなく、もう一方の状況についても対応することが幼稚園の役目、子どもの育ちに貢献することと考えています。さて、そのもう一方とは、確かにお家に帰ればお母さんを始め面倒を見る方はいるのですが、兄弟姉妹が少なく、遊ぶにしても一人でテレビを見たり、ゲームをしたりの遊びです。時々外で遊ぶにしても車は多く危ないし、親も常に子どもばかりも見ていられないし…と言うのが現状のようです。ましてや幼児期、お友だちと遊びながら得られる“社会性の育ち”にも影響があるように想像できます。
 どんなご都合や状況のお友だちでも受け入れ、毎日バラエティーに富んで楽しく、子どもの育ちに役立つ長時間保育として、毎日の“アクティビティー”の内容を伝えたり、また、ひと月にわたって行われる保育内容を、今月の“プロジェクト”として行っています。いずれも見やすく、分かりやすく、参加してみたくなるようにメニューにしてお伝えするようにしています。
 ある日の長時間保育、“わくわくクッキング・Beansサラダ”と称し、サラダをつくっておやつに食べると言う内容でした。自分で枝豆から豆を取り出し、レタスをちぎり、ボールの中でドレッシングと和えて、美味しそうなサラダの完成です。自分たちでつくった、美味しい野菜サラダ、あっという間に食べてしまい、おかわりの行列が出来ました。お家で食べるのとの何かが違うのです。(経験ありますよね)
 食べることだけではなく、題材は無限にあります。只、お子様をお預かりするだけの長時間保育では無く、ふじようちえんの長時間保育は、“みんなが一つの大家族”のように、育ち合い、学び合い、支え合いながら過ごしています。これからも、みんなの育ちに役立つように頑張って参ります。

園長だより vol . 108 (2012.4.27)