ふじようちえん

2015年9月30日 園長だより

2015年09月30日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

 さわやかな青空、秋風が心地よい季節になりました。皆様、いかがお過ごしですか?
私は、読書の秋と言いたいところですが、好きな本も読めそうにないくらい忙しく日々を過ごしています。その反動が、食欲に・・・言い訳にもなりませんね。

≪さわって、感じる秋≫
 今、園長席の前は、実りの秋を実感!!という感じで、スマイルファームで穫れた、かぼちゃ、さつまいも、ごま、かんぴょう、そして、栗にどんぐり、大豆、松ぼっくり・・・まるで、収穫祭のようになっています。
 木のたらいにたくさんのクヌギの実が入っていて、子どもたちは、腕をその中に埋ずめて、クヌギの実やどんぐりの感触を楽しんでいます。本当に気持ち良さそうです。
また、枝に付いたままの栗、それも触れると痛いイガ付きのまま置いてます。子どもたちはイガの痛さを楽しむのか?痛さをこらえるのか?我慢比べのように手で持ち上げて騒いでいます。他のお友だちは、大きなハロウィン用かぼちゃを持ち上げて重さを感じたり、形や表面のザラザラ感を何回も何回も撫でて喜んでいます。さらに他のお友だちは、そこに書いてある野菜の名前を読もうとして、字を指で追っています。
 私は、幼児期には、様々な物を手で触れてみることが、理解に近づく早道だと思っています。手で触れての理解、“Hand on”こそ、幼児期の重要な育ちのポイントです。以上の観点から、ふじようちんの学びのスタイルを言えば、“体験型学び”とでも言えるのかも知れませんね。
 IT社会は、更に進み、物事の本質や道理がわからなく、便利さだけを享受していく社会になっていきます。だからこそ、今、幼児期に手で触れての理解を深めて行くことが何よりも重要だと思っています。
 他愛もないこんな秋の収穫物の感触ですが、幼児期には体験しておいて欲しいものですね。手で感じる秋、自ら秋を感じること、子どもが育つ秋、大切にしたいですね。

≪折り紙で育つ!!≫
 さて、もう一つ、日本人は何事もきちんとすることが好きな特徴があります。この特徴こそ、幼児期に秘密があります。それは、折り紙です。角と角をきっちり合わせながら折って行くことに満足感、達成感、自信が芽生えていきます。また、シール貼り、ぬり絵も同様に、枠の中にはみ出さずに、キッチリ貼ったり、塗っていきます。小学生になって白地図を塗る時、1ミリもはみ出さずにキッチリ塗ります。このような日常の繰り返しの中にあるキッチリする心が養われ、やがて精密機械に代表される、「ものづくり日本」が出来たのではないかと幼児教育に携わっている立場から想像しています。また、その延長上の日本人の真面目さ、勤勉さが育まれてきたのではないかと勝手に考えています。
まさしく、“幼児教育こそ、国をつくる力がある”と言うことの実証だと思います。

≪運動会に思う≫
 もうすぐ、運動会です。そこで今回「運動会あれこれ」をお話しさせて頂きます。

♪そぉ~らは、あおぞら、うれしいな、きょうは、たのしいうんどうかい!!・・・各クラスから、とても元気のいい運動会の歌が聞こえています。園庭では、かけっこや踊りの練習、屋根の上では年長さんによるリレーも行われています。踊りをしっかり合わせたり、かけっこで競い合って勝ち負けを意識し始めたり・・・そんな空気が流れる時間を過ごしています。お家でも、踊っているお友だちいますよね。いよいよ、ふじようちえんが運動会一色になる時期を迎えました。みんなで頑張って練習しています。どうぞ、子どもが育つ運動会、応援して下さいね!! 綱引きもお楽しみに!!
 
 ふじようちえんでは、運動会のお手伝いを5年生以上の卒園児に頼んでいます。幼児のお世話、競技の進行、手助け・・・子どものことは、子どもがよいだろうと思い、数年前からお手伝いしてもらっています。毎年、みんな本当に良くやってもらい助かっています。その卒園児たちを見ていてつくづく思うことがあります。それは、自分より小さい園児の面倒を見ることで、卒園児の心に、やさしさやいたわりが育っているのです。幼稚園の運動会で幼い園児たちを卒園児が手伝うことで、他者を思いやる心が育つ!!のです。これは、隠れたもう一つの運動会の力ではないかと思っています。来たれ!!お手伝いの小学生!!ですね。

 今年の運動会の思いは、「親も、子も、立派に育つ運動会!!」とさせて頂きました。ふじようちえんは、“子と親と園、みんなで育ち合う あったかい幼稚園”という言葉でお伝えしている様に、様々な場面、みんなで育ち合えることを心がけております。そのような点から今回、上記の言葉になったのですが、中に出てくる“立派”と言う言葉、『立派になったね!!』とか、『あの人は立派な人だね』等々、よく耳にしますが、はたして、立派とはどんな意味だろうか?と気になってしまい、調べてみました。
 そもそも立派の語源は、仏門の僧の言葉で、成長して一派を立てると言うことが由来とのこと。また、仏教の世界で、立論と論破が出来ていることを、立派文明と言い、その立派から、きちんとしていて見事であることを意味しているとのことです。立派とは、非常に優れている様子、完全である様子を意味するものとのことなのですね。  その観点から“立派に育つ運動会”の意味は、それぞれの子どもや親にとって、今の育ちのエネルギーや子どもへの愛情を完全に使いきり、それぞれに輝く姿を目指しましょう!!ということを意味しているものと解釈しました。
まぁ、簡単に言えば、一所懸命に運動会をやって、成長しよう!!と言うことですかね。
親も、子も、立派に育つ運動会、立派な一日にチャレンジですね!!

 幼稚園の運動会でのお楽しみに、ランチタイムがあります。青空の下で、みんなでお弁当を囲み、食べるお弁当の味、私も大好きです。でも、この光景、各ご家族様にとって、意外にも最初で最後の場面でもあることも多いのです。それは、園児を中心に、ご父母、兄弟姉妹、両方の祖父母、伯父伯母・・・多くの皆さんがお弁当を囲み笑顔があふれる時間になります。やがて、小学生になり運動会の時、例えば、ご家族の中で、仕事の都合や、病院通いや入院していて来られなかったり・・・様々なことでみんなが集まれず、一緒にお弁当を食べられないことも間々あることです。ちょっと、斜めからの見方だと思いますが、幼稚園の運動会のお昼ごはんの時間は、ご家族のクライマックス!!最高潮の時!!とも言えると思っています。
 ランチタイム、どうぞ、ご家族様にとって、一番の楽しい時間となりますように、そして、大切な思い出となりますように・・・。
♪そぉ~らは、あおぞら、うれしいな・・・ 晴れますように!!

園長だより vol . 156 (2015.9.30)