ふじようちえん

2013年6月28日 園長だより

2013年06月28日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ
 
連日の雨も一休み、今日は久しぶりの青空です。各教室からは、♪ささの葉、さらさら~のきばにゆれる、おほしさまキラキラ~ ♪でんでんむしむし、かたつむり~♪めだかぁ~の、がっこうは、川のなか、そぉ~っと、のぞいてみてごらん…梅雨の湿った空気を吹き飛ばすような子どもたちの元気な歌声が聞こえています。
皆様、いかがお過ごしですか? もうすぐ夏休み、ご計画楽しんでいますか?

今、幼稚園では、七夕飾りの制作をしています。短冊に一所懸命に願い事を書いたり、キラキラした細長い紙を丸めて輪をつなぎ合わせ、輪飾りを作り楽しんでいます。特に、お星様に思いをめぐらせ、願い事を考えている子どもたちの真剣な顔を見ると・・・出来るものなら私が、いろいろな願いごとを本当に叶えてあげたくなります。子どもたちの願い事、短冊に書いて大きな竹の笹に付け飾ります。毎年、お世話になっている阿豆佐味天神社様のご厚意で参道に展示させて頂きます。
皆さん、是非、お子様の短冊、いろいろな願い事を見てあげて下さい。子どもたちが一所懸命考えた願いごと…とても楽しく、かわいく、微笑ましくなりますよ!!

 
≪祝!!富士山世界文化遺産登録≫

富士山が世界遺産としてユネスコに正式登録されました。それも当初否定的な見解があった“三保の松原”を含むもので本当に良かったですね。幼いころから毎日見ている富士山が世界的にも認知され、心よりうれしく、誇らしい気持ちになりました。
関係者様のご努力、ご熱意に敬意を表したいと思います。さらに、この美しい山を子どもたちにしっかりと手渡さなくては…と言う責任の大きさも感じました。
よく富士山は遠くから眺めていると奇麗だが近くに行くと…と言われるようにこれからは、より一層の環境への配慮と共生が求められます。当然、以前から地域の人たちや関係者の方々が熱心に環境保護活動等々のご努力をされているのですが、問題は、たまに訪れる私たち観光客が、環境を考え、行動しないと折角の活動も効果が薄れ、たちまちゴミがあふれたり、空気が汚れたり、水が濁ったり…してしまうと言うことなのです。富士山のような美しさを後世に伝えることは私たち大人の役目です。その為には、まず私たち大人が、子どもたちに手本となる行動を示さなくてはなりません。それは、何も様々な観光地に行った時だけのことではありません。日常生活の中でこそ子どもたちに “環境へ配慮する、やさしい心”を育てることが大事だと思いました。さっそく、園でも出来るものから取り組んでみようと思います。
富士山の世界遺産登録を機会に、みんなが日本中のあらゆる環境に目を向け、みんなの気持ちをもう一度、日本の自然の“美しさ”を感じ、環境へ配慮する心を育てて行きたいと思いました。みんながそういう心になり、いつまでも忘れないようにするために今回の世界遺産登録はあるのだと思うし、富士山こそ環境を守る代名詞的な存在となることが、日本一の山、富士山の新たな役割、存在意味なのではないでしょうか。なぜならば、富士山にはみんなの心を一つにする不思議な力があると思うからです。ちなみに皆さん、富士登山されたことありますか? 私は五合目までなら何回も、それも車で、頂上は…まだです。登山というよりドライブですね。

≪富士と藤≫
 
富士山つながりで恐縮ですが、音読みが同じ“ふじようちえん”は、時々“富士幼稚園”と記載されたりします。確かにの正門からは真正面に富士山が見えるので、いかにも富士幼稚園かな?と錯覚、早とちりされる向きも確かにあります。が、本当は、藤幼稚園の藤は、創設者の加藤幹夫氏の“藤”の字、つまり、植物の“藤”から名称は付いています。一般的にはフジと言えば富士山が連想され、目指すは、日本一というようなイメージをされがちです。でも、名前の由来も、目指す方向も違うのです。

よく富士山は、日本一の象徴として、物事の一番を示す言葉、何かのトップやてっぺんの代名詞のように言われます。確かにその昔、誰もが一番を目指していた高度経済成長時代は、みんなが“日本一になる”という思いで生きていたような感じがします。ちょうど、映画の『三丁目の夕日』や『東京オリンピック』が開催された時代あたりのことです。だが、時は流れ、現在は、人々が人生で大事にしたい思いや考え方、個性を大切にそれぞれの生き方を大切にしていく時代へと変わって来ています。それを富士山と藤で例えると、『富士山のように一番、頂上を目指す生き方から、つる性植物である藤のように“つる”が伸びて絡み合い、それぞれの場所で生きて、あらゆる枝の先々でそれぞれの花が咲く…と言うような生き方に変わって来ているんですね』なんて、無理やりな理屈をつけて、しかも、後付けの解釈でお伝えしています。
だけど、本当に藤は、これからの社会を現す面もあると思っています。世界に一つだけの花ではありませんが、一番は一人だけの時代から、それぞれが一番で、それぞれが特技を活かし、足りないところをお互いに補完し合う社会に移りつつあるとも感じています。言わば、ピラミッド型トップダウン社会からネットワーク型フラット社会へシフトしていると考えられるのです。単純な“富士と藤”の名前の対比から、社会形態の変化の話まで…お話が進み過ぎましたね。まぁ、個人的には、ぐじゃぐじゃしたネットワーク社会も好きだし、すっきりした富士山型社会も好きですね。要は、それぞれの人や組織、業界に似合ったスタイルで行くのがいいようですね。

≪わが子をよく育てたい≫

わが子をよく育てたい…みんな思っているが、どうすればいいの?という方に、TVにもご登場される久保田先生が大変おもしろく話しています。

とても具体的な子育て内容、モンテッソーリ教育を思わせる点もあり、うれしくなりました。裏面にご紹介しますので、ご参考にして頂ければ幸いです。
ついつい、いっぱいお伝えしたくて、長文になり、すみません。

園長だより vol . 125 (2013.6.28)

「久保田カヨ子式 いい子を育てる法則」久保田カヨ子(脳研工房代表取締役)

【記者:脳の発達に着目した乳幼児教育に取り組まれたきっかけは?】
自分の子供をよく育てたいからですよ。親っていうのはそういうところから発想しないと、いい子はつくれません。うちは旦那(久保田競<きそう>氏、大脳生理学者)の研究の関係で、家には脳科学の本があり、自分で読んで脳について勉強しました。

【記者:ということは、独学ですか?】
独学と、そこからおばあちゃん、お母さん、おばちゃんから聞いて、日本に昔から伝わってきた育児法が脳の発達とどう関連しているのか。あるいはもっと効果的に脳の発達を促すにはどうしたらいいか、ということを考えていったの。

【記者:具体的にお教えください】
一番重要なのは前頭連合野(ぜんとうれんごうや)です。ちょうどおでこの裏側にあって、情動のコントロールや、論理的な判断、将来の予測や計画の立案を行うのが、この部分。高度な判断を行って、人間の複雑な感情に関わり、恥ずかしさや尊敬する心を想起させる一方、感情面だけでなく、論理性や計画といった高度な判断を司るため、「人間らしさ」の源泉の部分と言っていいでしょう。損傷を受けると、理性的な判断ができなくなる例もある。人間の脳が一番大きくなるのは生まれてから歩き出すまでの間だから、この時期に感覚教育を行うのが前頭連合野を刺激するには一番効果的です。

【記者:どのようにすればいいのでしょうか?】
例えば、オムツを替える時は必ず声を掛ける。そうすることで、赤ちゃんはお母さんの表情と声を認識していきます。
また「これとこれ、どっちが好き?」と聞いて選ばせる。決断することで脳を使っているわけです。
まあ、そういう感覚教育を我が子にしたところ、七か月で歩き出し、一歳で三千語を話し、三歳でひらがなを読めるようになったわけです。で、上の子は大学へ行かずに独学で一級建築士になって、下の子は東大へ行きたいっていうから入れてやった。
そういう話が近所のお母ちゃんたちの間で話題になって、「うちの子も見てください」と頼まれるようになりました。
そうしてよその子供たちの感覚教育にも携わるようになって、自分の育児理論の裏づけを取っていったわけです。やっぱり実験データは多いほうがいいですから。

★☆ 久保田カヨ子式 いい子を育てる法則 ☆★

●オムツを替える時は視線を合わせ声を掛ける。
話すことはできないが親の表情を見て、声を聴いている
●「いないいないばぁ」は一日に五回以上やる  視線を集中させる
●カラフルな子供服を着せる。色彩感覚を身につける
●なるべくおんぶする。  親と同じ目線(世界)を体験させる
●幼児語を使わない。 幼児語から正しい言葉を覚え直すのは二度手間
●箸や鉛筆などはいきなり持たせず、正しく使っている姿を何度も見せる
 親のマネをさせることが、脳のミラーニューロンを刺激する。
 見せる時は子供の背後から。向き合うと左右逆になる。
●どっちが好き? と質問する。脳を使って「決断」させる訓練をする
●お風呂の時など、十から数を減らし、ゼロまでカウントダウンする
ゼロという数学的な観念を知る
●親が「ストップ」と言ったら行動を止める訓練をする
 「NO GO行動」という。これを覚えることにより危険回避行動を養う
●ガラガラはゆっくり動かして使う
 幼児は早い動きは認識できない。遠くからガラガラを近づけて、視線の焦点が合ったところでゆっくりと動かす
●生後1~2か月のうちにストロー飲みを覚えさせる
 吸う力を養う。口、舌を鍛え、呼吸や発声を養う
●多くの臭いを嗅がせる。いい臭いもイヤな臭いも、感情(脳)に作用する
●紙をたくさん破らせる(新聞紙など、できるだけ細く)
 手先の器用さと物質の構造を、理解する能力(紙が破りやすい方向など)を養う
●タオルやハンカチを三つ折りにたたませる。四つ折りだと角を合わせるだけ。三つ折りは目安が必要なので、物をよく見て計算する能力が養われる