ふじようちえん

2015年3月20日 園長だより

2015年03月20日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ
 
 武蔵砂川駅から幼稚園に来る途中、玉川上水にかかる新家橋のたもとに早咲きの桜が満開になっています。ウォーキングで上水沿いを歩く人はみんな立ち止まり、携帯で写真に収めています。きれいな桜に心がなごみ、観る人の心を癒すのでしょうね。今、卒園式の練習をしているからでしょうか?ふと、卒園児たちにも、有名な桜の名所ではなくても、地域の一角でしっかりと咲いているこの桜のように、その輝きにみんなが立ち止まってしまい、多くの人に愛され、人の心を癒す、思いやりにあふれた大人に成長して欲しいな・・・と、この桜と重ね合わせて想像しました。
 幼稚園では、チューリップが芽を出してきました。しだれ桜のつぼみも丸く大きく膨らんでいます。いよいよ、待ちどおしかった春がやってきました。
 皆様、いかがお過ごしですか? 陽気もよくなりました。春を感じに外に出てみてはいかがでしょうか?たくさんの春との出会いがあると思います。

 本日、修了式を行い、平成26年度を無事に終えることが出来ました。これもひとえに、ご父母、ご家族様、藤の会本部をはじめ各チームご担当の皆様方の日頃からのご理解、ご協力があればこそのことと心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
また、先日のおめでとうの会には、多くの皆様のご尽力でとても楽しく、思い出に残る時間になりました。卒園児も楽しい思い出を胸に巣立って行けます。感謝申し上げます。
 修了式で子どもたちに、一年間が終わり、少しづつ大きくなっていくみんなにとって修了式は、竹の“節”のようなものと話しました。「竹は“節”があって強くなるもの、“節”があるから倒れないのです。皆さんも竹と同じように、一年一年過ぎる度にしっかりと“節”をつくり、強く、大きくなって行くのです。そして、新しい“節”には、いままで仲良くしたお友だちとも仲良くしながら、新しいクラスや小学校でもいっぱいお友だちをつくって下さい」とお話しました。
 来る新年度も、教職員力を合わせ、子どもたちの育ちに全力を傾けて参ります。
引き続きのご理解ご協力の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

≪自覚こそ、最高の教育≫
 今、年長さんは、卒園式の練習を行っています。幼稚園が終わって小学校に行く!!という意識があるのか?まだ幼稚園で過ごす時間が続くものと思っている子もいますね。
 そのような中だからこそ、卒園式は幼稚園での最後の時間、修了証書を一人一人受け取り、こんなに立派に大きく育ちましたという姿、そして未来へ羽ばたく姿をご父母、ご家族様に見て頂く大切な式であることを伝えて、練習をしています。お返事、立ち方、座り方、歩き方、姿勢、歌声・・・等々すべてにおいて、幼稚園時代の成長が現れるものです。そして、練習を通じて徐々にですが子どもたちも緊張の中にも、“小学生になる”と言う自覚が芽生えてきたように感じます。自覚こそ、最高の教育なのです。
 一人一人の成長をしっかりご覧頂き、これからのスタートへの決意をする日が卒園式。ふじようちえんは、卒園児に大きな拍手を送り、みんなで力いっぱい祝い送り出します。

≪人生時間、今、何時?≫
 先日、あるお寺の玄関に掲げてあるお言葉を教えてもらいました。ありがたいお言葉!?そこには、「人の一生も、酒の一升も、気が付けば空だ!!」と書いてありました。
ふざけているようで、人生時間の真理を言い得て妙な感じがします。人の一生を一日に例えている教育者として有名な東井義雄氏のお話しをご紹介します。
【人生を一日にたとえる】
 まず人生を72年とします。これを1日24時間で割ってみると、「3」という数字が出ます。この「3」という数字は、1日の1時間が人生では3年にあたるということです。あなたの年齢を、この「3」で割れば、人生を1日にたとえることができます。
たとえば、あなたが12歳だとします。12÷3=4、12歳のあなたは、1日にたとえると、午前4時になるのです。今の私は58歳ですから19時半となります。まさに私の人生は、昼間の活動時期を終え夕食時(?!)になっています。こう考えると、残りの時間がとても貴重に思えてくるのです。
 作家の喜多川泰さんが、同じような考え方を講演で話されました。喜多川さんは、この話を若い子達にされるそうです。自分に絶望したり、心を荒ませている若者に、次のように話されるそうです。「あなたの人生を一日にたとえると、まだ、朝の六時にもなっていない。今まで、苦しいことや悲しいことがあったのだろうが、それは、あなたが寝ている時間に起こったこと。つまり、夢の中のことだ。夢で起こったことで、あなたはこれからの人生を良くない方へ変えていくのですか」と。流石です。
自分に置き換えてみて・・・日も沈み・・・ギクッ!!あっと言う間に“空”(から)みたいです!?

≪卒園児の皆さんへ≫
 ご卒園、おめでとうございます。お父母、ご家族の皆様、お子様のご卒園、心よりお喜び申し上げます。みんなと一緒に過ごせた時間は、宝石のように光り輝いていました。
 卒園児の皆さん、いよいよ小学生ですね。みんなが過ごしたふじようちえんでは、いろいろな事をたくさんのお友だちと一緒に体験しました。ことわざに『三つ子の魂、百までも』という言葉があります。この言葉、園長先生は、『幼稚園は一生ものの始まり、始まりが肝心だ!!』と言っている様に聞こえます。今までの幼稚園生活で毎日行ってきた、ごあいさつやお返事、くつをそろえたり、戸を閉めたり、モノを片付けたりすることもこれからも同じように続けて下さい。そして、お友だちと仲良くし、力を合わせてがんばること、困っているお友だちを見たら助けてあげること・・・いろいろなことは小学生になったからやらなくていいと言うことではありません。むしろ、たくさんの人と出会うこれからの方が、もっと大切なことになっていきます。良いことは続けて、悪いことはすぐに改めることが良い小学生になるコツです。早寝、早起き、朝ごはん、読書、運動、お手伝い・・・良い習慣は続けて下さい。『習慣こそ、第2の性格である』と言われ、毎日、毎日、努力を続けられることこそが才能なのです。
 砂場で集めたきれいな石ではありませんが、みんなこそ、光り輝く宝石なのです。でも、そのまま何もしないと光りません。ダイヤモンドの輝きも最初は目のすごく粗いヤスリで磨き、段々と目が細かなヤスリになり、やがて最後は真綿のようなもので磨くのです。人の成長も同じ、みんなも好きなことを見つけて、ずっとずっと磨き続けると、それぞれの光が出て、輝き始め、周りの人を光らせる大人になって行きます。
 園長先生の願いは、みんながそれぞれに自立して、社会の役に立つ人になることです。
ご卒園、おめでとう!! よき出会いを!! そして、ありがとう!! 

平成26年度3学期修了式 園長だより vol . 149 (2015.3.20)