ふじようちえん

令和2年度 6月 園長だより vol . 221 (2020.6.1)

2020年06月01日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

幼稚園のアジサイが咲き始めました。近隣の梅畑から、たくさんの梅を頂き、子どもたちが匂いを嗅いだり、手で触っては梅を感じています。この後、梅ジュースをつくり、みんなで飲みます。さわやかな季節の味体験、おいしく、楽しい時間ですね。
皆様、いかがお過ごしですか?まだ、先は見えませんが、がんばりましょうね‼
先日、都心上空を航空自衛隊のアクロバット飛行チーム“ブルーインパルス”が、このコロナ禍に際し、最前線で頑張って頂いている医師や看護師、医療従事者の皆様に『ありがとう』の感謝の気持ちと敬意を示すため、編隊飛行で大きなエールを贈りました。すがすがしい空気の中、青く澄んだ空にジェット機の白煙、まさに、力強さとこの新型コロナウイルスと戦っていく勇気を頂き、感動しました。
こういう感謝や思いの伝え方があるのですね、感謝の白線、ありがとうございました。

4月7日の緊急事態宣言による長期間に渡る休園も、その解除とともに分散的ではありますが再開できることになりました。令和2年度1学期の始業式もできず、スタートした気分も例年と違う感じで、今になってしまいました。また、お家に居ざるを得ないお友だちとは、どうしても先生方からの映像でのつながりになってしまい、みんなが育つ大切な幼稚園での時間が奪われているようで本当に残念だったし、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。そして、何より、ご家族の皆様のご理解、ご協力があればこそ、本日を迎えることが出来たと感謝申し上げます。本当にありがとうございました。でも、現在は、緊急事態宣言が解除されただけで、まだまだ新型コロナウイルスに対して細心の注意が必要な日常ですし、第2波、第3波、等々の情報も聞かれる昨今の状況です。幼稚園で過ごす時間、バスの中、等々、気持ちを緩めることなく、教職員一同、力を合わせ、ご連絡させて頂いている通り、所々万全を期して参ります。引き続きのご理解ご協力の程、どうぞよろしくお願い致します。

≪ソーシャルディスタンス・・・≫
キッズテラスに、オレンジ色やイエローのマリーゴールドの花々を置いてみました。マリーゴールドの花言葉の一つに“逆境を乗り越えて生きる”とあり、ふじようちえんなりの子どもたちやご家族、地域の皆様方への応援メッセージのつもりです。今、歌でも“マリーゴールド”がありますし、地面から生えているパプリカが飾れなかったので・・・せめてもの思いです。少々ポットに詰めて植えたので密になっているかも?みんなで可愛がって下さいね。また、正門の園長あいさつでもお伝えしています。
実は、その横のガラス内ポスターには、『ソーシャルディスタンスを守り、マインドディスタンスは、近づけよう‼』とも伝えています。これは、こんな時だからこそ、人と人の距離は離れても、心の距離は近づけたいと思っている心境を語ったものです。
確かに、社会と同じく幼稚園でもソーシャルディスタンスを守ることは大事です。園再開に合わせて先生方で相談して、各お部屋やトイレ待ち、手洗い…等々の場所での距離をとることを共通認識し、その具体的なマークとして、廊下で待つ場所に線や色印を描きました。これから、新しい生活と言われる今までとは違う行動が求められていることも頭に置いて、子どもたちに伝えていきます。
社会的距離と言っても、子どもたちにはどこまで伝わるか?また、行動できるか?はわかりません。ましてや、子どもたちは、先生や大人と触れ合うことで心が満たされ安定して、様々なことに取り組む意欲や行動が出てくるものです。それこそ密着することもよくあるし、お友だち同士で遊ぶと、どうしてもそういう場面になりがちです。また、先生が泣いているお友だちを抱っこしたり、手をつないだりすることを通じて、安心できたり、先生との信頼関係が生まれて・・・やがて、自立する方向に向かっていくものですが、この身体的なふれあいは、その入り口なのです。そんな状況であることも心の片隅に憶えておいて頂ければ嬉しいです。
ただ単にどんな場合でも3密は絶対だめだ‼と言うのは、むしろ、大人の感覚であり、大人のものさしの3密なのです。私は、人との距離を取ることばかりを気にして育つ子どもたちがつくる未来の社会に何だか?不安を感じます。まぁ、そんな意味で、子どもがくっつきたい時に、くっついてあげられる園でいたいと思っています。どうぞよろしく‼

≪知らなかった‼衣替え(ころもがえ)について≫ ある冊子からの転載です。
以前から、6月1日には、 学校や職場などが夏服に「衣替え」を行ないます。この衣替え は、気候の変化に合わせて快適 に過ごせるよう衣服を変えるだけの行事ではありません。実は 平安時代から脈々と続く年中行事なのです。平安時代、宮中では物忌みの日に心身の穢れを祓うべく、装束を冬から夏に、夏から冬へと こうい 改めました。それが「更衣」と 呼ばれ、現代の衣替えのもととなったのです。「更衣」という 言葉は「衣服を着替える」「衣替え」という意味を持ちますが、天皇の衣替えを司る女官の役職名としても使われるようになったため、「衣替え」という名前で民間に広まりました。元は祓えの行事だったため、現在でも多くの神社で、神様の「衣替えまつり」衣替えである「更衣祭」が行なわれています。
以上、衣替えについてでしたが、私は、この外出自粛期間中に部屋の片付けをしました。断捨離とばかりに勢いよく始め、結構いらないものを捨てたつもりでしたが、結局、終わってみれば、単にモノの移動になっただけでした。衣替えをきっかけに、もう一度、断捨離に挑戦してみようと思います。只の移動にならないように(笑)。

≪オンライン教育と群れの学び≫
 緊急事態宣言以降、お家にいる時間が増え、特に、親子一緒の時間が増えて、いかがでしたか?様々な感想がありますが、簡単に言えば、ご家庭の役割、幼稚園の役割を再認識できたものと想像します。幼稚園でも、先生たちからの動画配信やZOOM面会、電話での会話、一方通行ではないやり取りできるようにと考えた“はがき企画”、また、ZOOMでの英語レッスン・・・会えないなりに貴重な時間になりました。
オンライン、リモートワーク、ZOOMミーティング・・・子どもたちへの教育面で考えてみました。オンラインでの授業、例えばZOOMでのオンライン英語授業を例にとると、英語というテーマとその内容が明確になっているので、その成果、すなわち、わかっているか否か?話せるか否か?がすぐわかり、評価でき、すぐに改善やフォローがしやすいという特徴、長所があります。また、日頃、特に幼児期の子どもたちが育ちの面でどうか?というと、本来、子どもたちは様々なこと、見て、触れて、感じて、考えて、行動していく、その原点は、“観察力”、つまり、人の動きを見て学ぶということ、なるほど、そうするのか‼という気付きや合点を持つことが大事なのです。他のお友だちを見て学ぶ、言わば、子どもたちの学びは、群れの学びなのです。オンライン教育には残念ながら群れの学びがないのです。群れの学びは、空気から学ぶと言ってもいいと思います。だれが、何を、どんな風にやって・・・そこに何かを気づくことが無くなってしまうと幼稚園ではないと思います。オンライン教育で成果を出す学びも大事ですが、それ以上に群れの遊びが大切なのが幼稚園なのです。
改めて、幼稚園を再開できますことに感謝します。さぁ、みんなで育ちましょう‼

令和2年度 6月 園長だより vol . 221 (2020.6.1)