2021年度 1学期終業式 園長だより vol . 237(2021.7.21)
2021年07月21日 / 園長だより藤幼稚園のご父母のみなさまへ
梅雨明け宣言が出されたと思ったら、いきなり真夏の強い日差し、心と体が夏の暑さに向かう準備もできていないのに、夏本番がやってきました。
皆様、いかがお過ごしですか?コロナ禍と夏の暑さに負けないように、そして、熱中症や冷房病、冷たいものの取り過ぎや寝冷え等々、体調管理に気をつけてお過ごし下さい。ご家族一緒に過ごす夏休みも今年は、少し違った風景になりそうですが、どうぞ、お気をつけてお楽しみ下さい。
朝一番で朝ルンルンのお友だちが順番で、園長席前にあるたくさんのカブトムシに、餌の昆虫ゼリーをあげています。みんな、目がキラキラ、中には、甘く香る昆虫ゼリーに誘われてなめてみたくて、ずっと匂いだけ嗅いでいるお友だちもいます。
『先生、カブトムシがけんかしている‼ゼリー取り合っているみたい?』の言葉に、『仲良く食べればいいのにね‼』というお友だちのやさしい言葉、そこには、カブトムシをよく見て観察していて、たくさんの気づきもありそうですね。カブトムシに『けんかしちゃあだめだよ‼』と言う子どもの声掛けのように、自分がいつもお母さんから言われていることをカブトムシに言って聞かせている姿も時々見ます。このような子どものお母さん目線での発言に触れると、いつも言われているんだろうな、と想像したり、日頃の親の発言、言葉は子どもの心に染みていることを感じますね。
今日、一学期終業式を行いました。私から子どもたちにお話した内容は、3つです。
1.早寝、早起き、朝ごはん (規則正しい生活をしましょう)
2.あいさつをしましょう。(おはよう、こんにちは、こんばんは、ありがとう…)
3.お手伝いをしましょう。(子ども1人に1つの役目をしてもらいましょう)
そして、2学期始業式には、みんなそろって、元気な顔でまた会いましょう‼というお話をしました。皆様、安全第一にお過ごしくださいませ。
≪砂場遊び、みんな好き、片付け好き⁉≫
ある日、お友だちが砂場から小さなバケツを持って井戸に水を汲みに急ぎ足で歩いていました。たまたま、その通り道に小さなフルイが落ちていたので『そのフルイも片付けておいてね』と言いました。すると、顔からは『なんで僕が片付けなきゃならないの?僕が置きっぱなしにしたんじゃないのに?』という気持ちが読み取れました。『確かに、君が使ったフルイじゃないけど、みんなで使うみんなのものだから、また、みんなが使えるようにしといてよ』と言うと、ちょっと考えて、その意味がわかったのか?自らフルイを拾って道具置き場に持って行ってくれました。みんながこんなふうに片付けてくれる訳ではないですが、この光景を見ていた誰かの心に伝わって、みんなのもの意識が育てばいいなと思っています。強制的に言って、させる場面よりも、自発的な行動は、自分の頭で考えた行動ですので育ちには大切です。また、幼児期、みんなで使うものという意識を持ってもらうことが、社会性や規範意識の育ちに役立つものと考えています。様々なお友だちや大人とのコミュニケーションを通じて、様々な場面で育つことが、幼稚園の一番の特徴だと思いました。(少々、我田引水)
≪幸せ体験が、未来をつくる‼≫
突然ですが、トラウマと言う言葉、よく耳にしたり、会話の中でも使ったりしていますよね。ネットによると、トラウマとは、心的外傷のことを指し、肉体的、もしくは精神的な衝撃を受けた際に、心が受け入れることが出来なくなり、長い期間をかけてその出来事にとらわれてしまう状態のことを意味するとあります。
小さな話で本当に恐縮ですが、私にも細やかながらトラウマらしきことがあります。
私が多分3、4歳ぐらいの時、近所の犬に長靴の上から噛まれました。その時の情景をいまだにはっきり覚えています。そして、凄く怖かったことも。その体験が“犬は怖い”になって、今も犬は苦手の方です。その昔、配達のアルバイトをしていた時、犬のいる(特に吠える犬)ご家庭には本当に困った経験があり、犬好きの友達に替わってもらったこともありました。(今考えると、情けないですよね)
先日、怖い体験からくるトラウマの逆、楽しい体験をもう一度と言う場面に出会いました。それは中学生の職場体験があり、卒園生がたくさん来てくれた時のことです。
大人の腰高ぐらいでの身長で記憶している卒園児の姿と、いきなり目の前に現れた背丈も大きくなった卒園児の姿を一致させるのは、『えっ、○○ちゃん、こんなに大きくなったの‼』的に、正直、びっくりの連続でした。まるでタイムマシンに乗ったような気分です。そこで、なんでふじようちえんに来てくれたの?と聞いたら、単純に『幼稚園の時が楽しかったから、また来てみたかった‼』とのこと、なるほど。
先程のトラウマとは逆に、幼児期が素晴らしい、幼児期に幸せ体験をしていると、また、あの雰囲気、空気に触れたいという思いが湧き出て、行動につながり、また体験したい、感じたいと思うのですね。マイナス思考しがちなトラウマ的な心の思考クセも、もう一方には、プラス思考で、体験を未来につなげる種とすることが出来ることを学ばせてもらった卒園児の職場体験でした。そして、テストの点数ではないですが、今と変わらないあの頃の日常に良い評価を頂いたようで、本当に嬉しくなりました。
≪オリンピックトーチ&オリンピック歓迎で感じたこと≫
オリンピック、パラリンピック‼️いよいよ始まります。コロナ禍により様々な問題
もありますが、日本で開催されるという歴史的にも特別なことを、子どもたちには、
いい形で感じてもらいたいと思っています。アリーナ立川立飛、ドーム立川立飛で、
約32の国と地域から約100名のトップアスリートのトレーニングキャンプが始ま
るのにあたり、選手たちとは距離を置いた中、ドーム入口付近で選手の皆様にエール
を送りました。突然の雨でバスの中から各自が作った各国旗を振っての歓迎になりま
した。また、選手がキャンプ中、休憩や食事などのスペースとして使用するドーム内
にふじようちえんとFuji赤とんぼ保育園の子どもたち、みんなで作った折り紙の掲示
物の展示をしてみました。(見てもらえるかなぁ~)
海外から来られた選手の皆様が、園バスの中から旗を振っての子どもたちの応援に、心から喜んでいる笑顔を拝見し、競い合いとは別にあるオリンピックの本当の価値に触れた気がしました。一瞬でしたが、選手たちと子どもたちの心がつながった貴重な時間にもなりました。
2021年度 1学期終業式 園長だより vol . 237(2021.7.21)