ふじようちえん

2010.3月 園長だより

2010年03月03日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

♪灯りをつけましょ、ぼんぼりに~お花をあげましょ、ももの花、五人囃子の~
3月3日、ひなまつり、元気な歌声が園舎に響きました。ひな壇のお雛様、今日は、いつもにも増して微笑んでいるように見えました。
 冬から春に移るこの季節、気温も上がったり、下がったり、まだまだ寒さのぶり返しもありそうですね。皆様、お変わりありませんか?
 実は、今日、新園舎竣工式を行ってからちょうど3年目にあたります。以来、各方面でふじようちえんの楕円形園舎にご興味を持って頂き、国内はもとより、海外からも多くの方々にご見学頂いており、恐縮しながらも光栄に感じております。
昨日、たまたま、カナダ・ケベック州から20人の建築家の卵の学生が、ノルエー・オスロから同じく35人の学生がみえました。カナダ・ノルウェーとくれば、バンクーバーオリンピック。なんと言うめぐり合わせか?挨拶もそこそこに、金メダルが頭の中を駆け巡り、『金メダル、おめでとう!! オリンピックの成功、おめでとう!!』と(日本の残念さとともに)祝福していました。でも、日本や海外の選手の健闘に感動と勇気を頂き、「私たちも頑張ろう」と思わせてくれた17日間でした。

≪未来を売っている!? キッザニア≫
 先日、卒園遠足でキッザニアに行って来ました。子どもたちが80種類以上の仕事にチャレンジでき、楽しみながら社会のしくみを学ぶことが出来るところです。
 私たち大人もワクワクする本物そっくりの街でいろいろな仕事を体験しました。
私は、最初、単純にいろんな職業を体験できて面白そうだと考えていたのですが、よく見ると、体験する内容もかなり本格的なものですし、自ら動いて好きな仕事を選ばなきゃならないし、自分でその仕事の窓口に行きエントリーしなくてはならないし、混んでいれば順番待ちもしなくてはなりません。そして、仕事体験の現場には、先生も親もいません。自らの力でやっていかなければならないのです。今までの育ちの経験から見ても、この環境はあまり体験しなかったことだと思います。
日頃の生活と違い、私たち大人は『あれをしなさい、こうしなさい、これがいい・・・』一切指示はせず、ただただ子どもたちのチャレンジを見守っているだけなのです。
 最初は、どんな風に仕事体験するのか不安そうなお友だちも、何か一つ体験してみると要領がわかったのか、いろいろな仕事にチャレンジし始めるのでした。
 そこにいたのは、指示待ち・管理されることに慣れてしまった子どもたちとは逆の目をキラキラと輝かせた子どもたちでした。輝く子どもの瞳が一番ですね。
 大人の世界でも、仕事の効率と言う観点から、やる気の法則と言うのがあります。例えば、ある仕事を、上司に言われてやる効率を1とすると、その仕事の意味を理解してやる効率は、1.6倍になるそうです。そして、自ら工夫してやる場合の効率は、1.6の二乗の2.56倍、さらにその仕事に感動や共感を得てやると1.6の三乗の4.09倍になるとの事です。そんなことを思い出しながら、自ら決めて行動することの大切さ、やる気のすごさを改めて勉強させてもらいました。
 また、各仕事で共通していることに驚いたことがあります。それは、子どもに対しても敬語を使っているのです。名前の呼び方も、○○さん、と言う、さん付けです。子どもを子ども扱いしていない、大人への対応と同様に、言葉使いや丁寧な指示をしているのです。何故かと関係者に伺ってみたら、『仕事は、大人の活動と定義づけ、大人と接するように対応しています。』とのこと。確かに、仕事するのは、大人ですから、すべて大人として対応しているのです。施設も素晴らしいと思いましたが、この細やかな対応こそ、キッザニアの真ん中にある心ではないかと思いました。
 ちなみに、一番人気の仕事は、防火服を着て、消防車に乗り、水を出し、火を消す消防士さん。次にハイチューやアイスクリームを作って食べれる仕事、はとバス添乗員などの乗り物系や警察官も人気があるとのことです。人気=夢ですかね?
 未来を売っているキッザニアで子どもが育つ大きな切り口に出会いました。よく見ると、幼稚園でやっているモンテソーリ教育の「日常生活の練習」の延長のようなところなのですね。

≪イクメンVSタンメン≫
 立ち寄った書店で『最新イクメン白書』と題している雑誌が目に止まりました。
「育児する男子」を“イクメン”と呼んでいます。この言葉、私も先日のTVで初めて知りました。男性が育児?と聞くとちょっと昔の感覚では想像すら出来ない方もいるのかもしれませんね。が、男性の教諭や保育士がいる我々にとっては当たり前であり、こんなに楽しく、うれしい時間ですから、多くの方に体験してほしいとすら思うのであります。
 その雑誌で“大切な家族時間、デキる男はどうしている?”と言う題で、家族時間に注目しています。世の中の価値観も変化して、お金すべて的価値観から、家族の幸せが精神的豊かさの中心になってきているような感じがします。つまり、がむしゃらに「時間を仕事に投資する」だけではもはや家族をHappyに出来ない時代、また、少しでも多くの時間を家族に投資すれば、家族が笑顔になり、最大限のHappyにつながることが分かってきたからだと思うのです。さらに、家族時間の価値は、「長さ×質」で決まるそうです。簡単に言えば、家族と過ごす楽しい時間を如何につくるか?と言うことです。まぁ、雑誌的結論ですね。なかなか出来ないのが現実です。
 仲間と食事しながらこんな話をしていると、ある人が『私たちの時代は、イクメンよりもタンメンに興味が行った時代だなぁ』と一言。そうだよな、子どもの食べ切れないタンメンを食べたり、分けたり・・・そんなことを思い出しました。家族で一緒にタンメンを食べるとみんな幸せになれる!!単純ですが当時の男性の子育ては一緒にご飯を食べることに尽きたように思います。まぁ、イクメンと言う新しい言葉で、男性の育児・子育てが注目を浴びること、子どもの育ちに社会が目を向けてくれることに感謝致します。イクメンを実行するか?家族で一緒にタンメンを食べる道を選ぶか? 
私は、当然、大盛りのタンメンを選びますね。

園長だより vol.79  2010.3.3