ふじようちえん

2015年11月27日 園長だより

2015年11月27日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

今、幼稚園の園庭は、約20日前に撒いた芝の種が芽を出し、育ち、一面がまぶしいほどの芝生の緑になっています。今年の晩秋は、雨と暖かい日が繰り返したせいか?芝の成長がとても早いように感じます。まさしく、子どもの成長と同じですね。
皆様、いかがお過ごしですか。日ごとに寒さが増してきます。お風邪など召されませんようご注意下さい。園でもお家でも、うがい、手洗いしっかりと‼ですね。
さて、いよいよ気ぜわしい12月がやってきます。ともに頑張って行きましょう‼

各お部屋の子どもたちは、5、6日のクリスマスフェスタに近づくにつれて、作品づくりや歌の練習に力が入っているところです。素晴らしい作品の数々、楽しみにしていて下さい。先生たちも、子どもたちの夢をさらにふくらませようと思い、雪国でよく見る“かまくら”をイメージした“クリスマスかまくら”を西側園庭につくってみました。中にも入れ、夕方からは楽しいライトも点灯します。お楽しみ下さい。
 さらに、キッズテラス屋上では、空のステンドグラスと称して、グリーンカーテン用のネットにきれいな色のセロハン紙を貼ってみました。様々な色が影を落として、とてもきれいです。子どもたちは、あえて同じ色を踏むために、飛んだり、跳ねたり、色影踏みに夢中です。影と言うと、黒色のイメージがありますが、このように光や太陽光を取り入れた遊び、もっと広げていきたいものです。光との遊びは楽しいですね!

≪糸電話で育つ‼≫
先日、ゆり組さんが糸電話遊びをしていました。それもゆり組前からキッズテラス屋上までつながっている超長い糸電話です。これを思いついた先生たちの頭の柔らかさには、驚かされます。そして、素晴らしい取り組みですね。
たまたま、屋上に居合わせた私も、余りにも糸が長いので『本当に聞こえるの?』と思い、試してみました。すると、ビックリ!!とてもよく声が聞こえるのです。子どもたちも交代しながら糸電話で話をしてみて喜んでいます。こんなに離れていても聞こえるお友だちの声にすごく興奮していました。
 最近は、スマホが身近にあるため、幼い頃から電話で会話することが当たり前になっています。しかし、それだけに電話で人の声がなぜ?聞こえるのかと言う仕組みは、幼少期故に、まだ理解をするには至っていません(正直、大人もですが)
だからこそ、このような長い糸電話遊びを通じて、“声が聞こえて人と人が話せること”をいっぱい体験し、コミュニケーションすることを体験し、電話への理解に役立てばと思っています。
 これからも、さらに進化していく未来のICT社会を生きていく子どもたちのために、コミュニケーション理解の原点になればと思っています。
そうは言うものの、目の前の現実は、糸電話の筒に向かって、お互いが同時に話してしまったり、耳に筒をあてながら、電話のように筒を口にあてずに話し始めたり・・・最初から上手くいきませんね。間違い、失敗をたくさんするうちに、糸電話上手、コミュニケーション上手になって行くものと楽しみにしています。
≪お米、おにぎり、日本文化風習体験で育つ‼≫
季節の移り変わりは早いものです。6月に幼稚園の小さな田んぼに植えた苗が、夏秋を過ごして稲穂となりました。子どもたちはずっとお米の育ち方を見てきました。
先日、普段食べているお米がどんな風に稲穂からお米に変身するのかを知る為、稲穂からお米を取るところ、取ったお米を良いものとそうでないものに風で選別するところ、お米が着ている服を脱がし、白いお米が出来てくるところを見学体験しました。
ちなみに、精米時に出たお米の服を“ぬか“と言い、スマイルファームで収穫した大根でぬか漬けを作ります。これもみんなで食べてみたいと思います。
 そして、おにぎり会です。そこには、「塩むすび」を頬張るたくさんの子どもたちの笑顔がありました。たくさんおかわりしたお友だちもいましたね。
屋根の上、まるくなって、みんなで食べた塩むすび、味は最高、おいしかったです。特に、指に付いたごはん粒、食べてみると・・・そこには本当のお米の味、日本の味がありました。この味を知っている大人になって欲しいと願っています。今、コンビニでは、塩むすびも含めて様々な味のおにぎりを食べることが出来ますが、私は正しい味覚が形成される途中の幼い時だからこそ、素材の味を感じることが大切であり、このようなごはん粒体験をしておいてもらいたいと考えています。
 今年、たまたま脱穀精米の時に来ていた教育実習生(卒園児)に『こういうこと覚えていますか?』と尋ねたら、うれしいことに、よく覚えているとのこと。多くの子どもたちへの文化風習体験記憶に少しでも役立っていると思うと、うれしい限りですね。
 また、以前にもお話させて頂きましたが、小学6年生になった卒園児さんが、帰宅するやお母さんに『おやつ、何かないの?』と聞きました。お母さんは、『今、何もないよ』と答えると、『じゃあ、塩むすびつくって‼』と言われたそうです。何かない・・・と塩むすび、という発想のようですね。『幼稚園でのおにぎり会で食べた“塩むすび”の味が今でも生きています』と感謝されました。
 そして、お米プロジェクトは、まだまだ続きます。お米を取った稲穂を園舎の軒下に吊るして干して乾燥させ、新年を迎える時のしめ縄づくりに使います。お友だちの前で、運転手さんや先生たちがしめ縄づくりを実演します。みんな上手です‼
 やがて、松飾りの役目を終えたしめ縄は、正月明けにいつもお世話になっている阿豆佐味天神社様のどんど焼きにて焚き上げ、土に帰って行くのです。
 一連のお米プロジェクトを通じて、日本の文化はとても無駄がなく、理にかなっていて自然と共にあり、その昔から地球環境に寄り添っていて、とてもエコロジーなのです。今は分からなくても、そのうち子どもたちが気付いてくれて、日本文化への理解や地球環境の未来を考え、日常生活の中に少しでも活かしてくれたらいいですね‼
そんな思いを子どもたちへ伝えたいという意味を含んでいるお米プロジェクトでもあるのです!!
話が拡がり過ぎたようで、今回は、園長だよりと言うよりも、お米だよりになってしまいましたね!? 失礼しました。

園長だより vol. 158 (2015.11.27)