ふじようちえん

2017年7月19日 1学期終業式 園長だより

2017年07月19日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

きゅうり、なす、トマトにじゃがいも、ズッキーニ…等々の夏野菜が並び、その横にカブトムシにクワガタが子どもたちの興味を一心に集めています。いよいよ夏本番、うだるような暑さが始まりました。皆様、いかがお過ごしですか?
本日、1学期終業式を行い、夏休みに入りました。海へ山へ…ご家族、お友だちで楽しい夏の時間を過ごされ、いい思い出をたくさんつくって下さいね。また、ご父母さまにおかれましては、子どもと過ごす夏休みの時間、大変なことも多くあると思いますが親として伝えること、教えるべきこと、この機会にしっかり伝えましょうね‼
この夏が、お子様の育ちに大きく役立つことを願っています。Be Happy!!

≪行事の3D体験⁉≫
先日の7月7日、七夕の日に年長さんは、園バスで阿豆佐味天神社へ七夕飾りを見学に行きました。神社に着き、本殿前にてお参りをしてから、参道に飾ってある自分の短冊を見つけては、改めて願い事を確認し、再び思いを込めて祈っていました。当日お越し頂きましたご家族の皆様には、暑い中、本当にありがとうございました。短冊の子どもの願いをみて、改めて子どもの思いを感じて頂けたものと思います。そして、園に帰り、笹舟をつくり、たらいや井戸の池に浮かべてみたり、園庭側のガラス戸にぐるっと一周、帯状の水色のひもで表現した天の川をつくり、そこに子どもたちの手形をたくさん飾ってみました。また、七夕にちなみランチのメニューは、五色の短冊を模した七夕そうめん、さらに、この日はランチの時間中、ずっと七夕の歌『たなばたさま』を流しました。♪ささのは、さあら、さら・・・
この日のランチの時間は、各クラスいつもよりどことなく静かに感じました。おそらく、子どもたちも、ゆったりした雰囲気でそうめんを味わえたことと思います。
改めて、このような、七夕飾り、笹舟、五色のそうめん、天の川、たなばたさまの歌…伝統行事の立体的体験というか?多重化体験?3D化体験?を通した日本文化とのふれあいが、子どもたちの心に伝わり、育ちに役立つものと思いました。そして、こういう多面的な行事や文化体験は今後とも行っていきたいですね。多面的に物事を見ること、体験すること、それがやがて理解につながるものと信じています。何より、楽しいですものね。
私の好きな言葉に『知より、好、好より楽』というものがあります。人が一番力を発揮する根源について中国・孔子が言っている言葉です。物事を知っている、つまり知識が多いというよりも、その物事を好きでやっている人には勝てない、さらに好きだという人よりも、その物事を楽しんでいる人にはかなわない、と言う意味です。幼児期の育ちの場面、学び方は、逆で『楽、好、知』。物事に興味を持ってを楽しむ、楽しいからそれを好きになる、そして、もっと知りたくなり、さらに知識が増えていく・・・という流れですかね。2学期、秋も様々な場面で、この3D行事体験を子どもたちの育ちに活かしていこうと思います。
 わたしの稚拙な体験で思い当たる複合体験は、あんドーナツパンを食べ、牛乳を飲むと第三の味になるとか?・・・昔、懐かしの3D体験というところですかね。(笑)
≪浴衣に甚平、日本文化体験で育つ≫
夏休みになると幼稚園ではプールにインターナショナルサマースクール、ディキャンプ、イングリッシュアドベンチャー、夏の長時間保育・・・様々な活動が行われ、毎日、元気な子どもの声が聞こえます。そして、9月からの始まる2学期への準備と心構えづくりとしての夏期保育、そして、みんなが練習した踊りを舞台で踊ったり、お化け屋敷、金魚すくい等々で楽しむ、夏まつりがあります。
お友だちは、それぞれの夏まつりの姿で登園して来ます。やはり、浴衣姿が多いし、夏まつりの風情にはピッタリだと思います。調べてみると、浴衣はもともと「湯帷子」(ゆかたびら)と言って、平安時代の貴族が湯浴みの時に湯気や汗を拭きとる衣としていて、その後、時代とともに変化して、木綿地の浴衣が大衆に定着し、普段着となったとのことです。まぁ、お風呂には入りませんが、汗を拭きとる効果は役立つものと思います。私は、動きやすさから、毎年、甚平を着ています。なんで甚平と言うのか?気になって調べてみました。甚平は、甚兵衛とも書き、甚兵衛羽織に由来。甚兵衛羽織は、下級武士向けの木綿わたが入った袖なし羽織で陣羽織を真似てつくられた雑兵用陣羽織です。つまり、「陣羽織」が「陣兵羽織」になり、「甚兵衛羽織」から「甚兵衛」、そして「甚平」となったのです。甚平さんが作ったという説もあります。また、もし、そうならば、一度、甚平さんにあって見たかったですね。(笑)新しいものを生み出す人は、大変興味があります。どんな発想をしているものか?
衣類の歴史は、人々の生活文化の歴史そのもの、幼児期での浴衣体験、甚平体験、お祭り姿・・・衣類で日本文化に触れて、よい経験にしてほしいと思っています。

≪素直を育てたい、夏‼≫
 私はセミナーや研修会に参加する時、席はいつもホワイトボードがよく見え、話がよく聞こえる最前列の真ん中に座ります。一番前だと何か…質問等々で指される感があり、しり込みしがちですが、もし、最前列で質問され答えられなくても分からないから講演を聞きに行っているので、そんなことを気にしないでよく聞いた方が得です。
ある講演会で、前の方に人が少なく、後列のほうに着席している方が多い(よくある光景)会場がありました。その講師の方が言いました。「前の方に、座っている人は大丈夫ですが、後ろの方に離れて座っている人が心配です」と言い、後方の人たちに前に来るようにお願いし、皆さん移動してくれました。そして、このように、「そのままにしておかないのが教育です」と一言。教育の真髄かも知れません。
講演内容は、『人は、人によって、人になる』(ヒトは、教育によって、人間になる)カントの言葉を用いてのお話しでした。伸びる人と伸びない人の違いは、ただ1つ、素直か?素直じゃないか?の違いだそうです。子ども教育の大前提は、健全な人間として育成させるべく、人生の根本的、本質的で単純明快な原理、原則を教え込むべきであり、「嘘をつくな」「駄目なことは駄目なのだ」という基本が大事と言われました。私の子どもの頃は、『嘘は泥棒の始まり』とよく言われました。そして、結局、親の言うことを聞く子どもが素直で伸びると永い経験からお話しされていました。素直な心は、あいさつ、感謝の言葉ありがとうから…心を育てる夏でもありたいですね。
平成29年度 1学期終業式 園長だより vol . 182 (2017.7.19)