ふじようちえん

2009.3月 園長だより

2009年03月04日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ
三月になったとは言っても朝夕はまだまだ肌寒さを感じる今日この頃です。幼稚園周辺の畑に紅梅や菜の花が咲いていました。春の息吹を感じたひとときでした。皆様、いかがお過ごしですか?
早いもので、春の足音とともに卒園・進級の季節を迎えています。改めて振り返ると、春・夏・秋・冬・・・日々子どもたちの中で、子どもたちと向い合っていたらあっという間に一年が経ったという感じがしています。そして、今度持ち帰る予定の一年間の“背の伸びしろ”に象徴されるように、子どもたちは体の面、心の面でも確実に成長しているようです。
残りあとわずかの今年度ですが、それぞれの子どもの時間、幼稚園の時間を大事に過ごしてもらいたいと思っています。

≪ぼんぼりって何?≫
 ♪あかりをつけましょ、ぼんぼりに~、お花をあげましょ、桃の花、五人囃子の笛太鼓・・・春らしい気分になりましたね。一昨日、3日はひな祭りでした。
『あれが、ぼんぼり?』『ひし餅はあの形なんだ!!』幼稚園入口に飾ってあるお雛様を見て、子どもたちが話してました。
ドングリコロコロの歌の時もお伝えしましたが、歌の風景を実際に見て歌の内容や情景を考えることはとても大事なことだと思います。歌って楽しいけれど・・・ぼんぼりってなんだろう?桃の花ってどんな花で、何色なのだろう?食べる桃がついているんだろうか?・・・私たち大人にとっては当たり前の事ですが、本や写真やテレビで見て知っているモノを実際に見てみることは、何よりの教育だと思っています。
 たまたま私は今、小学校の評議委員をさせて頂いております。小学校の活動を見させて頂くと、子どもたちに地域への親しみや愛着を育もうと、地域の方々との交流を積極的に取り入れています。私は、子どもたちにその地域を理解し、親しみを持ち、愛する故郷としてもらう為には、まず第一に小学校の校歌の歌詞内容を一つづつ分解し、解説を加えて理解し、その風景や地域の特徴を思い浮かべ、子どもたちの心に共感を呼んでもらうようにすれば良いのではないかと思っています。ただ残念ながら、ほとんどの校歌が昔の風景、環境を前提とした歌詞のため、現在では想像しようにも出来ないと言う現実もあるようです。まぁ、そういう場合は、昔を懐かしむことで歌詞を活用すればいいと思います。“郷土愛”も校歌から始まるものなのかも知れませんね。皆さん、小学校の校歌憶えていますか?

≪失敗は成長の始まり≫
 幼稚園は小さな社会、社会には数々の約束がありますが幼稚園も同じです。
一学期、いろいろなお約束、きまりを伝えて保育が始まりました。その一つに『廊下を走らない』があります。ついつい走ってしまい、何回も先生に『廊下は走らない!!』と注意されたお友だちがいます。ある日、なんと、そのお友だちが『廊下を走ったらダメだよ!!』と他のお友だちに注意しているのです。そばにいた先生と顔を見合わせ、ビックリして、お互いに笑い出しました。が、同時に成長の瞬間に触れることが出来てうれしくなりました。
本人からすると気づかぬ成長でしょう。この成長の中身は、周囲の人への配慮や気使いの芽が出てきたことを意味し、きまりを守ろうとする秩序感の表れ、社会性の始まりと考えます。
多分、その子は、廊下を走って人にぶつかり、転んだり、痛かったりした思いがあればこそ、他のお友だちが走るのを見て注意したのでしょうね。走ってはぶつかって、転んだことを繰り返して育って来たのですね。基本的に、育つことは、失敗することを重ねて行くこととも言えると思います。
今までの概念では、失敗するとダメという評価になりがち、また、失敗は「悪」のようなイメージを抱くことも含んでいました。しかし、これからは、むしろ、失敗することによってしっかり成長して行くもの、「失敗は成長の始まり」と考えてみてはどうでしょうか?
成長のためには、失敗経験こそ大事。すべての失敗はダメでもなんでもなく、長い人生というジグソーパズルを完成させる為にどうしても必要な1ピースなのだと思います。結局、その失敗も無ければジグソーパズルの絵は完成しないのです。親として、目の前の子どもたちにイライラすることもあるでしょう。そんな時です、この場面も子どもの育ちに必要な1ピースと考えてみてはいかがでしょうか?きっと、子どもたちは、新しい時代にその子にしか描けない素晴らしいジグソーパズルの絵を完成すると思います。
難しいけど・・・親になるのも修行ですね。

≪春にハルが来た≫
 子どもたち、ご家族の皆様をびっくりさせてごめんなさい。突然、ポニーがふじようちえんにやってきて、さぞかし驚かれたことでしょうね。
お手紙でもお伝えしましたが、いつかポニーを飼ってみたいなぁ~、子どもたちに触れてもらいたいなぁ~、なんて思いでいました。幸い、村上さんに昨年より幼稚園に来てもらい、馬に関する知識・情報が増え、素人の私どもでも馬の飼育が出来るような環境になりました。昨年10月1日、以前より車で通過する度に気になっていた牧場に思い切って立ち寄ってみました。場所は、西多摩日の出町のさかな園手前の東京ホースヴレッジさんです。それがまた、偶然にもそこの方が副園長の知り合いの方だったのです。馬やポニーが何頭もいる中で、特にかわいくやさしいポニーが私たちの目に止まりました。これがハルとの出会いです。また、偶然にもこの日は大安吉日でした。
馬小屋をどうするか悩んでいる内に、ハルも段々大きくなるし・・・子どもたちには申し訳ないが、昔ハウスをハルの家にすることに決め、2月20日ハルを迎えたのです。乗馬やエサやり、触れ合いや動物セラピー関係等々、まだまだ始まったばかりです。安全面はもとより、衛生面、臭気等環境にも十分配慮しながら、子どもたちの育ちに貢献できるようにハル共々頑張って参ります。どうぞ、よろしくお願いします。 園長だよりvol.66 (2009.3,5)