ふじようちえん

2013年11月29日 園長だより

2013年11月29日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ
 
いよいよ冬がそこまで近づいて来たような寒さになりました。子どもたちは、気温の変化に関係なく屋根の上をぐるぐると走り回っています。まさしく“寒い時には、屋根の上をぐるぐる走り、日向ぼっこすればいい”と言うふじようちえんのあったかくなる方法?通りの光景が展開されています。皆様も、走ってみますか?本当にあったかくなりますよ!! 
また、先日は、秋さがしに昭和記念公園の子どもの森について行きました。帰りがけ、停めておいた自転車のカゴに、黄色のイチョウや真っ赤なもみじ・・・色とりどりの落ち葉が風に吹かれて入っていました。思いがけない晩秋のプレゼントに一人微笑む園外保育でした。
今、子どもたちは、クリスマスフェスタに向けて作品づくりや歌の練習に一所懸命な時間を送っています。それぞれに表現した作品を見たり、元気な歌を聴いていると何かとても幸せな気持ちになります。誰かが言っていた“いつも、子どもは、親にとてつもない力をくれる”と言う言葉の意味を感じます。どうぞお楽しみに!!
師走の声を聞き、あわただしい気分になりがちな時期ですが、皆様いかがお過ごしですか? うがい、手洗いをみんなでして、風邪に注意して過ごしましょうね。

≪大きくなったら~≫
昨日は、立川消防署・砂川出張所の皆様にお越し頂き、避難訓練、消火訓練そして、消防車見学と防火衣の試着をさせて頂きました。いつもの合言葉「お・か・し・も・な」押さない、かけない、しゃべらない、戻らない、泣かないの約束通りしっかり出来て、消防署の方からもお褒めの言葉を頂きました。消防車に触れ、防火衣試着体験をしてみると・・・みんな消防士さんになりたくなったようです。『大きくなったら、消防士さんになりたい人~?』の問いかけに、みんなが手を挙げました。消防士さんへの質問コーナーもあり、また、みんなが手を挙げました。最初のお友だちの質問では『好きな色は何ですか?』毎月のお誕生日会の時と同じ質問に『やっぱり、赤かな?』と消防士さんも微笑ましそうにきちんと答えてくれていました。本当にいろいろお手間をかけ、またお付き合い頂きありがとうございました。子どもたちの将来につながる大切な体験、心より感謝申し上げます。そう言えば、挨拶で敬礼を習いました。大人を見て育つ子どもたち・・・おそらく、お家でも“敬礼”のポーズが見れるものと思います。お話、聞いてみて下さい。

≪干し柿づくり≫
園庭に落ち葉が降り積もり、風に吹かれて舞い上がっています。関東平野の一角であるこの東京都西部地域は、奥多摩・秩父連山から吹いてくる風を直接受けるようで肌感覚、体感温度では雪国より寒いのではないか?と感じる人もいるそうです。
確かに、立川には防災基地や自衛隊の飛行場があるぐらい地形は基本的に平坦です。風も横からしっかり吹いてきます。また、園周辺は、風をさえぎるような大きな建物、ビル群も無いところですから、立川駅周辺より3~4℃低い時もあります。そこで逆に、この風と寒さを有効に使って?先生たちで干し柿作りをしてみました。奈良の平井農園さんから届いた素晴らしい渋柿です。作り方は、至って簡単、ヘタをちぎり、皮をむき、専用のひも付きフックを柿のジクに掛け、熱湯につけて殺菌(約5秒)し、風通しの良い冷たい場所に吊るし、1ヶ月でおいしい干し柿の完成です。
今、正門横にかわいく並んでぶら下がっています。子どもたちにも見てもらい、自然の力を使っておいしくする日本の食の技、生活の知恵を伝えてみたいと思います。勿論、出来上がったら、みんなで分けて食べてみます。上手く出来るか楽しみです!!
そして、この次は、スマイルファームで採れたさつまいもで、乾燥イモ(干しイモ)に挑戦、その次が、同ファームで取れた大根で福神漬けづくりに頑張ります。カレーには福神漬けが付きものとばかりに、毎年、挑戦しますが、中々上手くいきません。やっぱり・・・買った方がおいしい!!・・・なんて声を今年は聞かないように頑張ります!!
≪落ち葉で育つ≫
毎朝、子どもたちは、みんなで落ち葉を集め、落ち葉プールへせっせと運んでいます。みんなで集めるから落ち葉プールはすぐに満杯、その中に子どもたちが飛び込んだり、水浴びのように落ち葉を投げたり、かぶったり、もぐったりして遊んでいます。そんなことを通じて、原体験として、落ち葉のふかふか感、ニオイ、葉がこすれ合うカサカサ音、背中に入った落ち葉のむずがゆさ等々・・・を感じてほしいと思っています。それで何が育つと言われると具体的に示せませんが、日本の秋の肌感覚、情感を記憶のどこかに置いておいてほしいと思っているだけなのです。

私たちの世代は、落ち葉と言えば、今月の歌にもなっている“たき火”をしたくなります。そして、たき火とくれば、みんなで火を囲んで食べた焼き芋を思い出します。そして、晩秋の空気に立ちこめる白い煙の風景やそこに流れる煙のにおい、その煙たさ、そして、火のあったかさ・・・いつか、安全を確保した中で、伝えてみたいと思っています。以前は、たき火をして子どもたちと焼き芋も楽しんでいましたが、煙がご近所にご迷惑をかけたり、洗濯物にニオイが付いてしまうと言うことで今はしていません。本当は、今の子どもたちこそ、安全や周辺に配慮した環境の下で“裸火の体験”が必要なのだと思っています。時々、子どもたちだけでのライター遊びでの火災事故等の痛ましい新聞記事を目にすることがあります。現代社会は、IHクッキングヒーターに代表されるように裸火に触れることなく食事やお風呂が準備できます。また、仏壇のあるご家庭も少なくなりつつあり、ロウソクに火を灯す行為も少なくなっています。便利になった分、子どもには物事の道理や本当の姿が分かりにくい時代になって来ているのです。火との正しい付き合い方を今一度伝えるためにも、たき火体験は子どもの育ちに貢献できるものなのです。只々、焼き芋好きなだけではありません。

≪身長計から学ぶ≫
先日、永年使用していた身長計が根元から折れて壊れてしまいました。子ども用で150cmまで目盛りがあり、背筋を伸ばして立ち、先生が板を頭にあてて計測する昔ながらのものです。そこで新しく購入しました。何千人という子どもたちがこの身長計で背を計り、伸びた身長にどんなに喜んだことでしょう。そして、その喜びをどれだけ多くの先生方がそばで一緒に喜んであげたことでしょう。デジタル表示のものや柱や壁に貼るもの等々・・・いろいろあったのですが、やはり、子どもたちの成長を計る身長計は、大人がそばで手を添えて計ってあげられるものが良いと思いました。それは、計ってあげてこそ伝わるものがあるからです。確かに、身長計は身長を測る道具ですが、同時に、一緒に成長を喜び合えるものだと考えています。まぁ、そんな思いを込めて、新しい身長計も頑張ります。ちなみに、体重計は・・・と聞かれると・・・ひとりでひっそりと計り、喜んだり、がっかりしたりするものですかね。(私の場合)

身長計続きですみませんが、実はこの身長計には平成元年4月使用開始と目立たないところにマジックで書いてありました。約25年前に前園長の佐藤幸先生が書かれたものです。そう言えば友人の富山県の住宅工務店・ミヤワキホームの宮脇社長は、持っている道具や機械、設備に「私にも心があります」シールを貼っているのです。その全文は「私にも心があります。大切に扱って頂ければ、一所懸命働きます。どうかよろしくお願いします。ミヤワキホーム○年○月」というものです。宮脇さんは、モノを使い始める時このシールを貼り、使用開始年月を書き込みます。これを貼るとモノを大切に扱うようになり、モノが長持ちするとのことです。当然、会社的には建てる家の品質が高まり、評価も上がります。使用開始年月を書くことでモノを大切にする心を養う・・・参考にしてみたいと思いました。そう言えば、スマホには使用開始年月を書いていないことに気づきました・・・だから、新機種や料金体系でいつも心がふらふらの状態なのかな?と思いました。スマホに使用年月を!!・・・違いますかね? 

園長だよりvol . 130 ( 2013.11.29)