ふじようちえん

平成31年度 園長だより vol . 206 (2019.4.26)

2019年04月26日 / 園長だより

藤幼稚園のご父母のみなさまへ

芽吹いた新緑が、朝日を浴びて輝き、爽やかで気持ちがいい季節になりました。
青空に大きな鯉のぼりが泳いでいます。皆様、いかがお過ごしですか? いよいよ、連休が始まります。楽しい思い出をいっぱいつくって下さいね。

新年度になり、約一カ月が経ち、ご家族それぞれの生活時間にも、だいぶ慣れてきたことと思います。先日まで、正門付近でお母さんと離れるのがさびしくて、泣いていたお友だちも、今では、送って来てもらったお母さんの方を振り返りもせず、お友だちの待つお部屋に一直線に走って行ってしまいます。親とすると、少しさびしいけれど、うれしく、ホッとしていると言う感じでしょうか?
このように、幼稚園で何か好きな遊び、好きなもの、安心できるお友だちや先生が居ることが分かり始めると、幼稚園がより楽しいものとなります。そして、この楽しさこそが、親から、物理的にも精神的にも離れられ、自立へと向かう力になって行きます。幼稚園児ならではの“親からの自立の芽”は、こんな感じで芽吹いています。

先生たちがお子様の過ごしている地域を訪問させて頂く“地域訪問”は、もし万が一の防災の点からも大事ですし、ご自宅の近くのお店の話などでお子様との会話に共通の話題ができ、より仲良く分かり合えるものとなりました。そして、遠足では、親同士が一同に会して楽しい時間を過ごすことでお友だちが出来て、ご家族にとっても幼稚園生活の始まりとなりました。ちなみに、親も幼稚園時代に出来たお友だちが、意外にも一生お付き合いが続くお友だちになっているというお話をよく聞きます。
また、先日の引き渡し訓練では、多くの皆様にご理解ご協力頂き、無事終了出来ました。ありがとうございました。この訓練は、大災害時を想定したもので、皆様、普段は車で来るところを徒歩や自転車でお越し頂き、園までの道順や道路の状況、意外にある段差や交差点での危険度…等々、歩いてみて初めて感じることも多かったのではないでしょうか?あってはならないことですが、関東、東京でも大地震の予測がされている昨今、もし万が一の時にこのサバイバルカード(大災害時の幼稚園の対応カード)で、安全に現実的な対応が取れますように、今後ともご理解ご協力の程、重ねてお願い申し上げます。

≪こいのぼりに思う≫
青空に大きな鯉のぼりが泳いでいます。子どもたちに幼児期の原体験になってもらえればと思い、高く、元気で、大きな、大きな鯉のぼりを揚げています。
合わせて、ご父母、ご家族様が抱く思いである、元気に育て、大きくなれ、もっと良くなれ、いろいろなことが出来るようになれ…という思いを込めて揚げています。
ただ、今年は10連休明けまで揚げようと予定しています。
揚げる竿は、高さ約15mの檜(ひのき)の旗竿。ちなみに、なぜ?檜の天然木にしたかと言えば、子どもたちに出来るだけ木の質感に触れさせたい、本物に触れてほしいと思っているからです。また、子どもたちにとって15mは、圧倒的に高いものです。子どもの時に、圧倒的に高いもの、大きなものに触れて、凄さを実感してほし
いのです。しかし、やがて大人になった時、『あれっ、こんなに低かった?』なんて感じてほしいな?なんていう思いも含んでいます。
また、ポールのてっぺんには雨水防止のために、以前のもの同様に“桃の缶詰の空き缶”をかぶせています。なぜか?と言えば、私たち世代は幼い時、風邪をひくと枕元に親がバナナか、ヨーグルトか、桃の缶詰を持って来てくれました。笑われちゃうかもしれませんが、当時、今のように普段、口にするとことができない食べものでしたので、熱があるのにペロッと食べちゃったりして…親は、その食べ方を見て、こんなに食べられるんだから大丈夫だ‼ということで仕事に出かけて行きました。まぁ、そんな訳でポールのてっぺんに桃の缶詰めの空き缶をかぶせて『ふじようちえんの一番高いところには、お母さんの愛情があるんだ!!』と伝えています。
皆さんも、ポールのてっぺんを一度見て下さいね。何か?を感じるかも知れません。(でも、この話、分かる人たちは…おそらく、おじいちゃん、おばあちゃんたちでしょうかね?すみません。)

≪家庭が幼稚園で、幼稚園が家庭≫
毎朝、先生たちが順番で正門やバス門に立ち「おはようございます!!」とあいさつをして子どもたちを迎え入れています。あいさつを交わした瞬間、子どもたちの顔色や雰囲気を感じて、その日の健康や気分を把握する場にもなっています。
みんな元気にあいさつをしてくれて、クラスへと行きます。この光景を見ながら、つくづく、あいさつは幼稚園で教わるものではなく、各ご家庭で教わったことの発表、幼いころから親に言われてきたからこそ出来るものなのだと感じました。多分、自分からあいさつするお友だちは、ご家庭でもいつもあいさつをしているのでしょう。ということは、ご家庭があいさつをする文化、もっと言えば、ご夫婦があいさつをしている姿をみて、子どもたちは育って来たということなのですね。先生たちは、みんなで『大人が手本』という意識で子どもたちに接しています。まさしく、私たち大人の言動が子どもたちに伝わりますので、責任重大ですね。
また、家で行っていることとは逆に、幼稚園で意識的に行っていることで、履物を揃えたり、手洗い、うがい、服をたたんだり、食器を片づけたりすることを子どもたちは、徐々にご家庭でも行うようになっていくことを期待しています。幼稚園では出来ていることも、ご家庭では…ということは、私どもの力不足だと思っていますが、出来ればご家庭でもすすめて頂ければうれしいです。人の顔色を見てその場だけのいい子になったり、大人を安心させるだけの子にはならないでほしいですね。場所がちがっても、ご家庭と幼稚園で、同じ行動が出来るように成長してほしいと願っています。そんな点からも、ご家庭と幼稚園は表裏一体と思いますし、双方が力を合わせて子どもの手本となり、子どもの成長に役立つようにして行きたいものです。
正門の園長あいさつは、私の実感、経験、反省を含めてお伝えしています。その中に
『子どもって、親の言うことは聞かないけれど、することはマネしますね』というものがあります。まったく、親になるのも修行ですね。
 
平成31年度 園長だより vol . 206 (2019.4.26)